【論理的思考】適切に情報を分解するMECEという考え方を知る

この記事では次の言葉を説明してみます。
- MECE(ミーシー)
情報を網羅的に重複なく分解するということ
情報の網羅性が求められる場面というのは、仕事をする上で少なからずあるはずです。例えば期日が定められている作業があったとしてタスクを分解してWBSに落とし込む際、分解に漏れがあると本来必要だったタスクに気付くことができません。最悪の場合、期日になってそういえばあれもやらないといけないんだったと気づくことになりかねません。
情報を適切な粒度で漏れなく分解するにあたってMECE(ミーシー)という考え方があります。今回はこの考え方について勉強していこうと思います。
情報の粒度とは
先ほどさらっと情報を適切な粒度で漏れなく分解するという表現をしました。情報の粒度とはいったい何でしょうか?
何かについて比較を行いたい時には粒度を揃えないと比較に手間がかかったり時には難しいものです。例えば速さを比べたい時。2m/秒と7km/時はどちらが速いでしょう?
おそらくほとんどの人がどちらかに単位を揃えたのではないでしょうか?
秒速を時速にしたいから3,600(60×60)を掛ける→2m/秒 = 7,200m/時。で、7,200mは7.2kmだから2m/秒 = 7.2km/時。ってことは前者の方が速いんだな。

はじめから7.2km/時って言ってくれれば良かったのに…
今回のように情報の単位を揃えることもあれば、情報のグループを揃えることもあります。
例では速さ同士の比較を行う前提だったので比較対象はどちらも速さでしたが、もしも3.8kgという重さと7km/時という速さを比較しようとする場合。これって意味のない比較ですよね。比較しようがないし、比較できたとしてその結果が表すことは果たして何なのでしょう。
情報を比較する際に粒度を揃えるということがどういうことか、少しでもイメージいただけましたでしょうか?
情報の粒度を揃えるということはつまり、情報を比較可能な状態にするということなのです。
情報を分解するということ
情報を分解するということは、情報を全体から詳細に向かって細分化していくことをいいます。これをトップダウンにアプローチするといったりします。
その際にはロジックツリーと呼ばれる考え方と組み合わせることが多く、ツリー(木)構造をイメージしてもらえると良いかと思います。根(ルート)に近いほどノード(節)は少なく、葉に近いほどノードは増えていきます。
分解を行う際、適切なツリー構造の形となっているかどうか注意しましょう。片方のツリーが肥大化するなどの歪なツリーとなる場合は分解の方法が誤っている可能性があります。

MECEを使って情報にアプローチしていく
例として日本人という情報をMECEの考え方で分解してみました。下のイメージをご覧ください。

まず、はじめに日本人を性別で分けてみました。次に未婚か既婚か。次に年齢の代。最後に最終学歴で分けています。情報の粒度の選定に深い意図はありません。分かりやすそうなものを選んでみたつもりです。他にも、出身地(都道府県)や生まれた月などを粒度に選んで分解できそうですね。
MECEの考え方で情報が分解できているかどうかを確認するには、図を横の軸で見た時に漏れがないか。かつ重複していないかどうかをチェックします。
性別で分けるのであれば、男性と女性以外の性別が無いかどうか?重複することはないか?
年齢の代や最終学歴を見ていただくと分かりやすいかもしれませんが、漏れが無いように以下や以上という表現や年齢などの指標を使う際には~〇〇、〇〇~という表現にしています。
このように図示することで情報の分解が可視化でき、気づけなかった視点を見つけられるかもしれません。MECEで情報を無意味に分解するのではなく、そこから導き出したいことを意識して情報を分解しましょう。
まとめ
今回は、情報を整理するための考え方としてMECE(ミーシー)を紹介しました。
漏れなく重複なく情報を整理するということは、仕事や日常で求められるスキルかと思います。考え方をなんとなく理解できたらあとは実践あるのみです。
使って使って使いまくって、自然にできるようになるまで繰り返しMECEを使って情報の整理を意識的にしていきましょう。
この記事が誰かの参考になれば幸いです。それでは。